オペラは舞台上で衣装をつけた出演者が演技を行う点で演劇と共通していますが、台詞だけではなく、大半の部分(特に役柄の感情表現)が歌手による歌唱で進められることを特徴とします。歌手は器楽合奏により伴奏されつつ歌い演じます。伴奏は、多くの場合交響楽団規模の編成に及びます。 初期のロマン派までのオペラでは、歌唱には二つの様式があります。ひとつはレチタティーヴォ(朗唱)で、会話を表現するものであり、普通の朗読に近い抑揚で歌われます。もうひとつはソロ(独唱)で歌われるアリア(詠唱)や複数の歌手が歌う重唱(アンサンブル)あるいは大勢で歌う合唱で、通常の歌唱です。これらの様式はみな伴奏を伴います。 レチタティーヴォは、古典派の時代まではチェンバロのみで伴奏されるレチタティーヴォ・セッコと、管弦楽伴奏によるレチタティーヴォ・アッコンパニアートがあり、前者は会話的な抑揚で語るように歌います。後者は直後のアリアや重唱の導入として置かれることが多いです。ロマン派時代のオペラではレチタティーヴォ・セッコはほとんど見られなくなりました。 アリアは主に登場人物の感情を表現するもので、古典的なオペラではアリアを歌う間はドラマの進行が静止することもありますが、時代が下るにつれてアリアでも登場人物の感情の推移を通じてドラマを進めるようになりました。アリアはおおむね大規模なもので、主要な登場人物について割り当てられます。より小規模なものをアリオーソ、カンツォネッタ、ロマンツァなどと歌の性格によって呼ぶこともあります。 役柄どうしの対話は重唱で行われ、群集などが登場する場面では合唱も加わることがある。特に各幕の終曲(フィナーレ)ではほとんどの登場人物による重唱や合唱で構成される場合があります。 これらの独唱・重唱・合唱について、古典的なオペラでは各々が独立して作曲されており、一連番号が付けられていたことから「ナンバーオペラ」と呼ばれ、各ナンバーの間は前述したレチタティーヴォによってつながれます。各曲が独立しているため、上演時の都合によりナンバー単位で省略されたり、作品の作曲家または別な作曲家により、代替あるいは挿入用のアリアが加えられたりすることもありました。しかしロマン派の半ば以降にはナンバーによる分割が廃され、各幕を通して作曲されるようになりました(もっとも上演の際に慣習的なカットを行うことがある)。また、アリアとレチタティーヴォも明確には区別されなくなっていきました。 ジングシュピール、オペラ・コミック、オペレッタ、サルスエラなどの様式では、レチタティーヴォ・セッコに代わりせりふを用いて劇が進められます。 歌手、および歌手の演ずる役柄はそれぞれの音高(声域)で分類されます。男性歌手(男声)は声域が低い順にバス、バスバリトン、バリトン、テノール、カウンターテノールに、女性歌手(女声)は声域が低い順にアルトまたはコントラルト、メゾソプラノ、ソプラノに分類されます。 また、歌手の声の質も役柄との関係が深く、声質によって歌えたり歌えなかったりする役柄は多いです。たとえば、ベルリーニのノルマ、ヴァーグナーのヴォータンやブリュンヒルデ、ヴェルディのオテロやファルスタッフ役の良い歌手を見いだすのはいつでも難しいとされます。 オペラは他の多くの芸術形態から成立している。基本は音楽であるが、対話により演じられることから、演劇の要素を持つ。また、上演する上で重要な要素と考えられる視覚的な舞台効果を得るため、絵画の要素も用いられている。こうした理由で、著名なオペラ作曲家リヒャルト・ヴァーグナーは、このジャンルを「総合芸術」(Gesamtkunstwerk)と呼びました。